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ペース泳を行う際のストローク率低減の効果【競泳最新研究紹介】 [スポーツ]

本研究の目的は、ストローク率(SR)を自発的に減少させた後に運動神経機構が急性的にはどのように応答するのかを異なったスピード、異なった制約のもと(一般的にトレーナーによって用いられるストロークテクニックの改善のためのストローク数制限)行ったときで検討することである。10人の熟練したスイマー(男子8名女子2名、平均400m自由形タイムが短水路世界記録対比男子76.8±3.7%、女子73.3±2.7%)を被験者となり、3セットの疲労困憊に至るまで試技を400mの平均泳速の95%、100%、105%のペースで3回ずつ行って検討した。

最初のセットにおいては、個々のSRが連続的に計測され、平均化された。第2セット(Fixed)では、被験者は個々のSRを維持するように制約されて泳いだ。第3セット(Lowered)では、個々のSRが5%低下するように規制された。試技のそれぞれのトータルタイムとアームストローク相の持続時間が測定された。

結果は、FixedセットからLoweredセットに向けて試技全体の継続時間は低下した(p<0.05)。被験者は推進力が出ていないアーム相でより多くの時間がかかるようになった(増加率は8.6~13.2%の範囲であった; p<0.05)。また推進アーム相の持続時間はLoweredセットでも有意には変化しなかった。相運動時間の低下は、おそらく普段とは違う筋肉が動員されたことによってひきおこされたものと思われる。

泳技法の変化に関しては、FIxedセットにおいて推進力の大きさと効率が増大していることが示唆され、また両腕の推進相の間、抵抗増大を抑制するような身体のストリームラインに関しても改善が見られた。

結論としては、これらの結果はトレーニングセットの技術的な利点を意味づける上で考慮に入れられるべき問題であり、こういった制約をトレーニングスケジュールの中で用いることの有益性を示唆するものである。

出典『ストレングス&コンディショニング研究雑誌』 2011年2月号

論文要旨

Alberty, MR1, Potdevin, FP2, Dekerle, J3, Pelayo, PP1, and Sidney, MC1. Effect of stroke rate reduction on swimming technique during paced exercise.
J Strength Cond Res 25(2): 392-397, 2011-

Laboratory of Human Movement Studies, University of Lille, Ronchin, France; 2Research Team in Sport and Society, University of Lille, Ronchin, France; and 3University of Brighton, Eastbourne, United Kingdom.

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