ピラテス(ピラーティス)マット・エクササイズおよび従来型エクササイズの腹横筋および内腹斜筋の活動に関する効果:無作為化比較試験【海外最新研究紹介】 [スポーツ]
ピラテストレーニングは、運動および機能的活動中の腹横筋(TrA)と内腹斜筋(OI)という体幹部の筋肉に働きかけ活動を高めるといわれている。
ピラテスの経験がなく疼痛も持たないスポーツクラブクラブ会員34人(平均(SD)30(7)歳)を対象にピラテスマットおよび通常のストレングストレーニングにランダム化して割り付け検討した。被験者は週に2回、指導者のいない条件でトレーニングを行い、8週間にわたって継続した。この両群に対して、TrAとOIの厚みが、ピラテスのエクササイズでいう「インプリント」(腹部のドローイン手技)、「ハンドレッドA」(仰向きで寝て手を少し上げ、股関節と膝で90度の屈曲位をとる)、「ハンドレッドB」(Aと同様だが、頸の屈曲を伴う)、および立位・座位での機能的姿勢において計測された。
ピラテス群では、ハンドレッドAにおいてTrAの厚みが増大した[すべての値は平均(SD)mm]:介入前3.7(1.3)、介入後4.7(1.1)(P = 0.007); 更にインプリントにおいてOIの厚みが減少した: 介入前11.7の(2.8)、介入後10.8(3.5)(P = 0.008)。ストレングストレーニング群では、OI厚がインプリント(P = 0.014)、ハンドレッドA(P = 0.018)とハンドレッドB(P = 0.004)においてピラテス介入群に比べてより大きな厚みになっていた。安静時および機能的活動姿勢においては、両群に差が見られなかった。
ピラテストレーニングはピラテスエクササイズを行った際にのみTrA活性を増加させるようである。 ピラテスを臨床集団に用いた場合、および機能的活動姿勢において如何に深部腹筋の活性化を増加させるかに関しては、今後の更なる検討が期待される。
キーワード:ピラテス; 運動 ;腹横筋;超音波
Duncan J. Critchley1, Zoe Piersonb2, and Gemma Battersby1 “Effect of pilates mat exercises and conventional exercise programmes on transversus abdominis and obliquus internus abdominis activity: Pilot randomised trial ” Manual Therapy, Volume 16, Issue 2, April 2011, Pages 183-189
1Academic Department of Physiotherapy, King’s College London
2 Physiotherapy Department, Guy’s and St Thomas’ NHS Trust
PMID: 21075038
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